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晩期合併症について 晩期合併症について

がん(腫瘍)そのものからの影響や、薬物療法、放射線治療など治療の影響によって、診断から5年を経過しても持続するあるいは新たに生じる合併症のことです。晩期合併症は、心機能低下や肺線維症、悪性度の高い二次がんのようにいったん起きると生命に関わる重篤なものから、不妊症や内分泌(ホルモン)異常、知能障害、てんかん、視聴覚障害など日常生活のQOL(生活の質)に強く影響を及ぼすもの、また肥満、糖尿病、高脂血症など生活習慣病につながるものなど様々です。また、身体的な症状のみならず、精神的・社会的な問題なども含まれます。
そのため、がんの治療終了後も、個別の状況に合わせて長期の経過観察(長期フォローアップ)が必要となり、当院でも小児がん治療後の長期フォローアップ外来を開設しています。

長期フォローアップ外来とは

 小児がん治療後の患者さんの長期的な健康のため、晩期合併症の発見や治療になげるための定期的(年1回)なフォローアップを行う外来です。
長期フォローアップ外来では、問診票を用いて、患者さんの身体や心、社会的な状況を伺い、その後、長期フォローアップについて専門の教育を受けた看護師との面談を行います。その面談内容を医師に伝え、診察になります。そのため、通常外来より1時間ほど時間がかかります。
 「こんなこと聞いてもいいのかな?」とか「こんな症状あるけど」のような”言わなくてもべつにいいか”と思いがちなことも、支援のきっかけになることもあるので、気軽に相談してください。患者さんのこれからの生活や健康をよりよいものとなるように一緒に考えていきましょう。

場 所
小児科外来
開 催 日 時
木曜日(不定期開催)
対 象 者
小児がん治療後の方
フォローアップ外来画像

長期フォローアップ外来の主な目的 あらかじめ自分がどのような健康上のリスクをもっているかを自覚し、心身健康の自己管理を行う(ヘルスリテラシー*の向上) 晩期合併症を早期に発見し、適切に対応することにより、日常生活に影響しないようにQOLを向上させる リスクのある合併症が臨床的に問題にならないように、予防的な視点での健康教育を受ける

*ヘルスリテラシー:病気や治療に関する知識を身につけ、これまでの診断治療内容などの情報を自己管理できるようになり、自分の体調に気を配り、体調に変化があった時には医療機関を受診して医療者とコミュニケーションをとり、医師に自ら質問したり、家族友人同僚などに必要な場合は援助を求めたりすることができることです。これは年齢に応じて段階的に獲得していくものであり、例えば、思春期になったら、疾患について理解したり、内服薬を管理したり、次の外来予約の調整などができることが望ましいとされています。